
自然の香りを身にまとう、イギリス紳士ジェームスから学びました。
ジェームスは弁護士という経歴を経ながら、自らフランスで調香を学び、いかに香りをデザインし創り出すかを見出しました。自身のブランド「HEELEY」を立ち上げ、そのオリジナルな香りは、1週間で出来るものもあれば、5年以上かかるものもあると言い、年に2-3点ほどはコレクションを発表し続けています。また、香りはもちろん、グラッフィック、パッケージに至るまですべてのディテールを自社でデザインしながら、ヨーロッパでも数少ないオーナー(創設者)=クリエーターが手掛けるパルファンブランドとしても知られています。
自然の影響を受けたデザイナーとして、香りの世界に魅了された彼は、彼の処女作のひとつである「マント フレーシュ」(2006年)は、シンプルながらも難しい材料であるミントを使用し、コンテンポラリーでエレガント、そして身にまといやすい香りの象徴として知られることになりました。
近年、Maison Kitsunéの為に作られたNote de Yuzuは、瞬く間に広がるフルティーな新鮮な香りとも、共に日本の柚子のエネルギーが込められていて、日本の伝統的な柚子風呂を思い起こさせる瑞々しい柑橘の香りがします。この他にも肌に触れればたちまち官能的な海と潮の香りへと変化する香り などが発表されました。
香りの1つ1つに、彼のイマジネーションや、風景、物語が込められていて、その想像を共有すると、まるで映画を1本見終わったような高揚感が香りとともに訪れます。また、1日中変化を楽しめる品質の良い香り、掛け合わせも出来てしまうナチュラルな香り、自身も楽しみながらもその日に会う人を想像しながら香水を楽しんで欲しいという彼の言葉からも、香水はただ香りをまとうことだけではない事に気づくわけです。
彼自身が共感したショップでしか販売しないという姿勢を貫き、それぞれの香りに込めた想いが伝わることを大事にしています。彼自身が、来日して店頭で接客する、そんな機会も数年に1回あったりします。そんな貴重な機会に出会えれば、ぜひ自身の嗜好に対して提案してもらうことをお勧めします。
弁護士などの経歴を経て、フランスで調香について学ぶ。 2006年の香りの発表からフランスを拠点にHEELEYをスタート。 年に2-3点程度のコレクションを発表し続けています。2019年夏にはショップもパリにオープン。
